玄鳥去
七十二候では、いまは玄鳥去〝つばめさる〟。
春にやって来た燕たちが南へ帰ってゆく季節になりました。私の家の周りではもう何週間も前から姿を見かけず、代わりに百舌鳥が山からおりてきたらしく、初音をききました。百舌鳥の聲には秋の日差しと静けさが含まれているようです。
お天気の穏やかだった敬老の日、Kumagoro氏と庭の手入れをしました。
気になっていたお隣さんとの境界の木を、おもいきって伐ってしまうことにしました。直径7センチくらいの幹をジョキジョキと鋸で伐ってゆくKumagoro氏。少し動くと汗が噴き出してきました。それほど太くはなかったのですが、高さは3メートルくらいあったかとおもいます。景色はさみしくなりましたが、東からの光が入るようになり、根元の南天も心なしかよろこんでいるようにみえました。
木を伐ったkumagoro氏「鳥の巣があるよ」と教えてくれました。
家のなかや下からは見えなかった高いところに鳥が巣を懸けていました。恐らくヒヨドリです。小鳥も巣立ち、空っぽになったまあるい巣。ビニルや細い枝で巧妙につくられた形に感嘆してしまいます。
家の裏手も点検してみると、もう一つ巣が懸けてありました。鳥が巣を作ってくれるのは四つ目です。我が家の庭を選んでくれたんだとうれしくなります。
燕もヒヨドリも去ってしましたが、また戻ってきてくれます。木々の葉が落ち、北風が頬を刺して春になって…気が早いですが、心待ちにしています。