赤色

 

この時季なにか赤いものを目にすると、次の春健康でいられるそうです。

いま目にしているものがそのときばかりでなく、ゆくゆくの自分に影響を与える不思議さ。針灸院へ行くようになってから〝人の体はなんと精巧なのだろう〟と感じるようになりました。的確な箇所をちょんと針で刺激するだけでみるみる気が流れはじめます。この経験をしてから人の体の精妙さに、きっとはるか遠い星々や目に見えないものの影響も受けているはず、とおもうようになりました。

精巧でいろいろなことものごとから影響を受けるからこそ、美しいものをみききしていたいです。

現実というのは醜く、惨いことも起こることを重々承知で、自分にとって〝学び〟のない苦しみや辛さであればそれはできるだけ避けるべきではないか、と考えるようになりました。苦しいこと、辛いことも生きているあいだは当然あります。自分の成長に必要なものでもあります。

けれども後々のことを考えると、学びのない辛さや苦さは避けられるのなら避けたほうがいいのかもしれません。

 

美しいものをみて、美しい音楽を聞いて。

人は醜く、残酷で冷たい部分もある。セカイはきれいなだけではない。そのことを知っているからこそ、美しいものに触れていたいのでしょう。

 

ハナミズキの実、彼岸花ケイトウ、 トンボ、夕日…秋は赤色が似合います。これから冬へ向けて木々は葉を落とし、虫たちも命を終えたり越冬の準備に入ります。深く静かな冬の前の、実り多き秋の季節は、醜いことを知っているから美しいものを求める心とどこか似ています。

 

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